会員管理システムの機能　たくさんあるけど、どれが活用できるの？

一口にフィットネスクラブ用の会員管理システムと言っても、機能は様々です。ここでは新たに導入する、機能を追加する、システムを別のものに変更する時などにご活用いただけるよう、その機能をわかりやすく解説いたします。

1 会員管理システムの機能はたくさんあってわかりづらい！
2 会員管理システムの機能一覧
3 まとめ

会員管理システムの機能はたくさんあってわかりづらい！

フィットネスクラブ施設（以下、施設）によって負荷の高い業務は異なります。

また、負荷軽減だけではなく、データの見える化を図って今後の運営に役立てたい場合や、蓄積された情報を基にお客様とのより良いコミュニケーションに役立てたいケースなど、会員管理システムへのニーズは施設によって様々です。

そのニーズに対して機能が分けられており、各システム会社（以下、各社）によって機能一覧があります。

よく使用される機能を基本機能、施設によって使用する・しないがある機能は追加（オプション）機能のように分類・区分けすることで、ソフトウェアの利用料や初期費用をできるだけ安く提供できるようにしています。

その分類・区分けは各社によって違ったり、その会社独自の機能が用意されていたりと特色があります。

つまり、会員管理システムの機能はたくさんあってわかりづらいのです。そしてどの機能が自分の施設に活用できるのかよくわかりません。そこで、たくさんある機能を大まかに分類して機能一覧としてまとめ、説明いたします。

みなさんの施設に必要な機能の選別や「こういったこともできるんだ」などの発見につながれば幸いです。

会員管理システムの機能一覧

一般的な担当スタッフ様の業務ごとに分けて機能をご説明いたします。使用したい機能があれば、使用している、または使用を検討しているシステムの開発会社にご相談してみてください。

※機能の呼び方は各社で若干違いがあります。

① フロント業務

フロントスタッフが担当する日々の業務で使用する機能です。具体的には以下です。

機能	内容	備考
レジ精算	物販・会費などの店頭での精算	自動精算機や自動釣銭機などとの連動もある
レジ点検・レジ締め	現金の不足のチェック
入退館チェックインアウト	手入力、バーコードやQRコードなどの読み取りなどで入退館管理	生体認証・自動ドアとの連動もある
各種申込	入会・退会・変更などの届出処理
個人情報管理	緊急連絡先をはじめとした会員様情報の登録・修正・削除など管理機能
会員カード発行	専用プリンタでの会員カード印刷	様々なカード印刷に対応

最近では24時間営業を始めとしたさまざまな運営形態に対応するため、前述の自動ドアと連携して開錠・施錠をする機能や、生体認証をはじめとした新型コロナウィルス対策の手助けとなる機能などを追加機能として充実させています。

会員管理システムとして根幹の部分のため、どのシステムでも基本機能として提供されています。

ただ、必要性が施設によって違う機能（会員カード発行・生体認証でのチェックイン・自動精算機との連動など）は拡張機能として用意されており、追加費用の有無にかかわらず追加（オプション）機能となっています。

② バックオフィス業務

事務所内で日々実施する機能です。

機能	内容	備考
日報・月報作成	売上や各種チェック状況の出力	施設のフォーマットがある場合は対応できるか確認が必要
各種入力確認	届出や精算履歴の確認
在庫管理	物販商品の棚卸
契約ロッカー管理	貸出登録や利用者一覧の出力
メール配信	事前に登録された会員様のメールアドレスへの情報配信

日報・月報の作成や日々の業務のチェックは各システム共に基本機能となっている場合がほとんどです。ただ、在庫管理や契約ロッカー管理、メール配信などは施設ごとに必要度が違うため追加機能となっているものもあります。

③ 管理者業務

施設の運営状況を把握するための機能です。

機能	内容	備考
会員人数統計	全体や各コースごとなどの会員数増減の確認
売上統計	会費や利用料、物販売上の統計
利用統計	日別・時間帯別・曜日別・コース別など入退館情報を基にした統計

日単位・曜日単位・月単位・年単位などで各種統計を出力し、施設運営に役立てることが目的です。例として、

「先月の入会が昨年より多いので、退会防止のためにお客様への声がけを強化する」
「この商品の売れ行きが悪くなってきているため別商品に変更する」
「平日日中の利用が少なくなってきたので、会費の安いデイコースを新設する」

など、現状を把握して今後の運営に役立てることができます。

④ ジムスタッフ業務

機能	内容	備考
利用者情報の照会	今滞在されている方の一覧	お声がけの際に活用
コミュニケーション管理	お客様とのやり取りをメモ	ほかのスタッフへの引継ぎや次回の対応に役立てる

会員管理システムとしてはジムスタッフ様用に提供できる機能は、会員様とのコミュニケーションに役立てるための機能のみです。

会員管理システムとは別ですが、運動処方システム※1や体組成計や血圧計などの測定データ管理システムなどを併用して、お客様の目標達成をサポートする体制を整えることもできます。

※1　会員様ごとのトレーニング状況を管理してトレーニングメニューを自動作成するシステム

⑤ 会費請求業務

月会費・年会費や都度の利用料など、お客様ごとに計算された金額を徴収する一連の処理を行う機能です。

バックオフィスでの業務ではありますが、担当が別で決まっていることが多いため、別業務として記載いたします。

機能	内容	備考
会費データ作成	会員様ごとの請求金額を算出
会費請求	算出した金額の請求用データを作成	依頼先金融機関のフォーマットで出力
入金データ取込	依頼先からいただいた入金結果データをシステムに取込
未納通知書作成	会費を引き落とせなかった方への通知書作成

在籍者数と料金のバリエーションの多さに比例して煩雑になる作業と言えます。作業負荷の大きさやミス防止の観点からフロント業務と同様必須機能で、基本機能に含まれている場合がほとんどです。

⑥ スクール管理業務

主にスイミングスクールのコーチが担当する業務の機能一覧です。

機能	内容	備考
名簿作成	クラスごとの名簿作成	出席状況や前回の進級テスト結果なども出力
出欠管理	入退館とは別の利用登録・修正	各コーチがクラスごとに入力する
振替管理	欠席に伴う別クラスへの振替出席の管理	Webで会員様自身が登録できる機能もある
進級管理	進級テストの結果登録	単純な〇×判定だけでなく泳力チェック項目ごとの判定への対応もある
送迎バス管理	出席クラスに合わせたバスの利用登録、利用者一覧の出力

スイミングスクールやそのほかダンスや体操教室など子供のスクール・習い事で主に使用されますが、大人の習い事にも対応可能です。どの施設にもあるわけではないのでスクール管理に特化しているシステムでない限り追加機能となるケースが多いです。更なる拡張機能として、

Webやアプリから会員様自身がいつでも登録できる機能
送迎バス機能のバスロケーションシステムとの連動
夏休みなどの短期教室管理機能

など、システムによっては用意がある場合があります。

⑦ その他の会員管理機能

上記では分類できない付加機能・サービスもあります。各社ごとに用意されている機能が違うため、実際の問い合わせの際にいろいろ確認してみると思わぬ機能があるかもしれません。以下は一例です。

・会員マイページ

会員様ご自身で登録や利用状況を確認でき、上記の機能（コースの変更・退会・スクールの欠席や振替の登録、スタジオの参加予約など）を会員様自身で行えます。会員の満足度向上とスタッフの作業削減の両方が見込めるサービスです。

・複数店舗管理

複数の店舗を経営されている場合の統合的な管理ができる機能です。具体的には、相互利用できるコースへの対応や、他店のデータ参照・更新できる機能です。複数店舗のデータをまとめて統計を取ることもできます。

まとめ

今回は会員管理システムの機能一覧をスタッフ様の業務別に分けご説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん各社全ての機能を網羅できているわけではありませんが、まだシステムを導入前の方、特に今からシステムについて調べていこうという方には新しい発見につながったのではないでしょうか。

すでに会員管理システムを使っている方にはご存知のことばかりだったかもしれません。しかし機能を再認識することで、「こういった機能があったのを忘れていたので使ってみよう」とか「考えていなかったけど、この機能を追加することで、スタッフの作業を減らせるため、違う業務も担当してもらおう」など、再発見・気づきにつながることがあります。

その再発見・気づきこそが、会員管理システムの機能を活用するヒントになります。ぜひ、もう一度、会員管理システムの機能をよく調べてみて、自社に合った機能がないかどうか、確認をしてみましょう。

もし「こういった機能があったら便利なのに」など今ない機能のご要望があれば、遠慮なく今使用しているシステムの会社へご相談することをお勧めします。弊社をはじめ各社としてもユーザーのニーズに応えることが使命なので、貴重な情報となると思います。

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