美容や健康のためジムに入会したのに、数カ月後には会費を支払うだけで利用をしない会員がいます。そのような幽霊会員はどの会員制ジムにも必ず存在します。
運用コストのかからない幽霊会員は、目先の利益だけを考えれば魅力的な存在です。しかし、会員のご利用が減った経緯・理由を分析することは、隠れた施設の課題や問題点を浮き彫りにするきっかけとなるかもしれません。
また極端にご利用の減っている会員様に対して、適切なアプローチがなされなければ無用なクレームの要因となる可能性もあります。今回は幽霊会員とジムが上手に向き合うための管理手法をご説明いたします。
幽霊会員とは
幽霊会員とは、フィットネスジムの会員でありながら実際には、ほとんど施設を利用されない会員を示す言葉です。
会員がフィットネスジムを利用しなくなる理由は様々です。仕事やプライベートが忙しい、モチベーションが低下した、ジムの雰囲気が合あわないなど、多岐に渡ります。退会したいが手続きが煩わしい、または入会したことを忘れている、といった会員様もいらっしゃるかもしれません。
このような場合、幽霊会員だけが損をしているようにも見えるのですがその解釈は間違いです。
ジム経営の観点から見れば、これは大変な問題です。なぜなら、せっかく高額な設備投資をしてフィットネス器具や人員を揃えているのに、お客様にご利用頂けないからです。
提供するサービスに魅力を感じて頂けていない、会員のニーズに沿ったジム経営を出来ていない、または会員の足が遠のくような問題点があるのかもしれません。
情報の民主化が進み、お客様個人が手軽にサービスを比較できる時代となりました。会員が提供されるサービスに魅力を感じなければ、会員離れは進み、ジム存続も困難となるでしょう。
幽霊会員は現状からは見えない「気づき」をくれる貴重な存在です。幽霊会員を知り、そして向き合うことは、長期的なジム経営において必要不可欠な活動なのです。
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幽霊会員とジムの向き合い方
まず「幽霊会員をどのように取り扱っていくか」ジムの方針を定めましょう。どの程度の期間ジムの利用がない会員を幽霊会員とするのか?幽霊会員に対してどのようなフォローアップをしていくのか?など、ジムの方針を固めて幽霊会員に対して定期的にアプローチできるようにしましょう。
では、幽霊会員とジムの向き合い方について記載していきます。
- 会員アクティビティを分析して現状把握しよう。
現在ジムに在籍される会員の内、どの程度の割合で幽霊会員が存在しているのか?即答できないジム経営者の方が多いと思います。ジムで運用されている顧客名簿や基幹システムを活用して、会員の利用状況を調査してみましょう。
この際、利用頻度に応じて会員をカテゴリー分けして分析することで、今後幽霊会員となる見込みのある会員を把握できます。定期的な会員アクティビティの分析は、今後のマーケティングや提供するサービスの方針を定める一つの指標となるでしょう。
- コミュニケーション方法を確立しよう。
昨今スマートフォンの普及により、従来の電話・ダイレクトメール・ホームページへの情報掲載といった不便で時間のかかる情報発信の手段や機会が減ってきています。そこで、各種SNSサービスを活用した手軽でリアルタイムに情報発信できる仕組みを導入する施設が増えてきました。
SNSサービスを活用したリアルタイムな情報発信の手段は非常に効果的なものです。会員とのコミュニケーション方法を確立しておけば、新規会員の受け入れから退会に至るまでのコミュニケーションを円滑に行うことができます。これまでのコミュニケーション・情報発信の方法を見直して、より会員と密にコミュニケーションを取れるよう対策しましょう。
幽霊会員への利用促進と関係構築
前述したようなフィットネスジムの現状分析を行い、それに対して適切なアプローチをしましょう。では、幽霊会員への利用促進と関係構築についてご紹介していきます。
- 利用促進
幽霊会員の利用を促進するために、特別なキャンペーンやプロモーションを提供して、ジムに足を運ぶきっかけを作りましょう。例えば、無料のパーソナルトレーニングセッションや、特定のクラスに対する割引を提供すれば、再利用の敷居を下げることができます。
さらに、パーソナライズされたトレーニングプランを提供し、会員の個々の目標に合わせたサポートを行います。これにより、会員は自分の進捗を実感しやすくなり、モチベーションが向上します。また、定期的なチェックを行い、会員の目標達成をサポートすることで、継続的な利用を促進できます。
- 関係構築
現状分析より特定された幽霊会員に対して、個別にアンケートやヒアリングを行いましょう。ジムを利用されない理由や、会員の要望を把握すれば、より会員のニーズに沿った施設運営をすることができます。
また、会員同士の交流を促進するイベントやワークショップを開催し、コミュニティの一体感を醸成することも関係構築に役立ちます。例えば、特定のテーマに基づいたグループトレーニングや、会員が自由に交流できるソーシャルイベントを定期的に企画すれば、会員の興味関心を引くことができるでしょう。
まとめ
本記事では幽霊会員とジムの向かい合い方についてご説明をしました。幽霊会員へのフォローアップはフィットネスジムによって様々ですが、最終的には、会員のライフスタイルに合わせた柔軟なサービスを提供することが重要です。
例えば、忙しい会員向けに短時間で効果的なトレーニングプログラムを提案する、またはオンラインでのクラスを提供するなど、自宅でもトレーニングが続けられる環境を整えます。このような仕組みにより会員の利便性を高め、ジムの利用を継続的に促進することができます。 これらの戦略を組み合わせることで、幽霊会員との関係を再構築し、利用促進を図ることができます。フィットネスジム経営者は、会員一人ひとりのニーズに応じたアプローチを通じて、全ての会員がジムを最大限に活用できる環境を提供することが求められます。
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